朝日新聞明治37年6月5日(日)(モンガル帝国復興を目指すカルカツタ府発行の新聞社説)
アジアに於いて完全に独立を維持している国は、僅かに日本とアフガニスタンの二国のみである。他の独立国は、単に欧州諸国が分割するために相応しい時機を待っている間の命に過ぎない。しかしさらにアジア全体を深く観察してみると興隆の息吹を感じることもできる。これは「黄人患」という言葉がしばしば繰返される所以である。
今や日本はロシアと対立する英国と結び、待ちに待った機会をとらえて奮起した。しかしインド人は最初の内は危ぶんでいた。ところがその後の経過を見ると日本は賢明な判断と精到な準備をしていたことが解り、反対にロシアは世界に対して其の弱点を暴露し始めている。
アジアはヨーロッパの頸木から脱出したいと渇望しているが、日本はアジアとヨーロッパとは到底両立し難ことを示し、其の勢力を一掃する為に決起した。我がインド人は何れもこの年少なる姉妹国が首尾よくその目的を貫徹することを祈っている。
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