平成25年3月の参院予算委員会で、民主党(当時)の小西洋之議員が首相の安倍晋三に芦部信喜という憲法学者をご存知ですか」という質問をした事がある。首相が知らないと答えると「憲法学を勉強されない方が憲法改正を唱えるとは信じられない」と述べ、話題となったことがある。
芦部信喜は東大名誉教授で憲法学の権威であり、護憲派の中心人物として知られている。彼が著した「憲法」は、100万部の売り上げを誇るロングセラーとなっており、今でも、国家公務員1種試験や司法試験の憲法問題に関しては、芦部解釈を書かなければ正解とならないと言われている。司法試験の受験生は、何年も勉強している間に、芦部解釈を刷り込まれており、護憲を柱とする憲法学を信奉する弁護士が生まれる原因となっている。日本には、これらの人たちの「憲法9条があったから戦後平和であった」と言う、世界の常識に反する大きな底流があり、ロシアの侵略に国の存亡を賭けて戦っているウクライナの現状を見ても、その人達の考えは何ら変わらない。今回の参議院選挙を前にしても、立憲民主党は「9条を使って日本をしっかり守ることができる。」、共産党は「9条に基づく外交を粘り強く行う」と主張している。政権与党の公明党さえ「9条はいささかも変えるつもりはない」と言う。
しかし世論調査の結果は過半数が改正に賛成している。岸田首相は、是非今回の選挙では、ウクライナの現状を踏まえて憲法改正の第1歩として頂き、緊急事態が発生した場合には、全自衛隊が、命を懸けて国を守ることができる体制を是非整備して頂きたいと考える。
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