一方で、日本の外務省はその程度かも知れないとも思った。
話は今から40年前位前にさかのぼるが、当時英国の駐在武官をしていた同期のT氏から聞いた話である。
ある日、英国大使が新聞を持って、通産の方!通産の方!と言って、通産省から来ている一等書記官を探し回ったそうである。当の通産から来ていた2人は、1週間の休暇を取り、スイスにスキーに出かけていた。
これは、日産自動車の英国進出のニュースが新聞に報道された日の出来事であるが、イギリス大使はこの交渉について知らず、外務省はつんぼ桟敷に置かれていたわけである。
この日産自動車の英国進出には、英国側、日産側ともいろいろ問題があったが
サッ チャー首相の肝いりで実現したもので、この交渉を秘密裏に仕切っていたのは、当時の通産省であり、その配下の日本貿易振興会(ジェトロ)であった。ジェトロはほとんど全ての国に事務所を持ち、しかも主要国には複数の事務所がある。ある通産省の課長が、海外の事務所からボタン1つで本省の課長に通じると言っていた。このジェトロを持つ経済産業省の情報量は膨大であり、相対的に外務省の地位が低くなっている。今回の件は、あの連中ならやりかねない事かも知れないと思った。
コメントをお書きください