明治40年6月12日(木)

日本の三大協約 日米両国の紛争を遺憾として、早く両国の間で協約を締結し、極東の平和を図らなければならないと主張した。

南部佛国騒櫌 佛国におけるブドウ栽培者の運動が益々激しくなり、当日南部フランスの各地からこの運動に参加する為、同地に入り込んだ者は50万人を数え

米国人又狼藉 サンフランシスコ対岸のバークレー市に居る日本人鍋田某が経営する園芸畑が米国の暴漢30名程に襲われ、植物、温室、その他がことごとく破壊されてしまった。

日本の三大協約 11日タイムス社発

ロンドンタイムスは、日本が最近外国と締結した三大協約の無限の利益とその重要な所以とを指摘し、これらの協約は、近い過去に於いて危難の地位に陥るのを回避し、又将来に於いては世界政策の中心であるべき広大無辺な地域にモンロー主義の形態を据えるものであると評論した。更に進んで深く日米両国の紛争を遺憾として、太平洋の東西で最も進歩している国民の間でこの様な紛争が起こるであろう事は到底我々には想像する事ができない所であり、早く両国の間で協約を締結し、極東の平和を図らなければならないと主張した。

解説:三大協約戸は、日英同盟、日露講和条約、日佛協約と思われる。モンロー主義とは、1823年アメリカ大統領モンローが教書で発表したアメリカ外交の基本方針である。即ちアメリカはヨーロッパの戦争に対し中立を守るが南北アメリカは主権国家としてヨーロッパの干渉を受けるべきでない。しかしこの孤立主義は、海軍力の整備とともにハワイ併合、フリピンの植民地化で捨て去られた。

南部佛国騒櫌 10日上海経由ロイター社発

佛国におけるブドウ栽培者の運動が益々激しくなり、昨日は遂にモンペリエに於いて未曾有な激しい示威運動を見るに至った。当日南部フランスの各地からこの運動に参加する為、同地に入り込んだ者は50万人を数え、会堂その他公共の建物は皆その宿泊に充てられたが、しかし尚数1千人は入る事が出来なくて、夜間、止むなく大道に眠ったほどであった。

政府が若し来る10日までに要求を容れない時には、南部諸州は納税を拒否するであろうとは相当前からの噂であったが、今や全ての地方官は辞職し、ブドウ栽培者は納税拒否を実行するべき旨の申し合わせを行った。

各地の市職員1200名も今夜から執務をしない事になっている。

米国人又狼藉 10日桑港特派員発

サンフランシスコ対岸のバークレー市に居る日本人鍋田某が経営する園芸畑が米国の暴漢30名程に襲われ、植物、温室、その他がことごとく破壊されてしまった。この地方の於ける日本人の園芸畑は非常に繁栄している為に、以前から白人の同業者から妬みを受ける事があり、今回もその為である。犯人は逮捕されず日本人の激昂と中央政府の鎮撫は同地方に少しの影響も与えていない。