明治40年6月6日(金)

日佛外交関係 日佛及び佛タイ両協約はアジア民族の侵略に対する印度支那防衛の保障であり

日本艦隊歓迎 両艦乗組員の多数は来週火曜日にオリンピヤの競馬を観覧する予定で、伊集院司令官その他主要な将校は英帝及び皇后両陛下に謁見を賜る事になっている。

桑港事件後報 日本国民はサンフランシスコ問題に対する現在の米国の態度に満足していないとの報道がワシントン政府を驚かせた。

米国政府の苦計 中央政府が殊更に日本移民の入国に関する調査を始めた事は、これによって洋食店問題に対抗する魂胆があると察せられる。

日佛外交関係 5日タイムス社発

パリー来電―前駐日公使アルマン氏は、極東に於ける佛国の地位は現在非常に安定していると明言し、日佛及び佛タイ両協約はアジア民族の侵略に対する印度支那防衛の保障であり、日本は他国の領土を侵略する意思を持っていないと確信する旨断言した。

日本艦隊歓迎 5日上海経由ロイター社発

日本艦隊の筑波及び千歳の両艦に乗組んでいる将校及び下士卒に対する数日に亙る歓迎計画は既に決定している。

両艦乗組員の多数は来週火曜日にオリンピヤの競馬を観覧する予定である。その際伊集院司令官その他主要な将校は英帝及び皇后両陛下に謁見を賜る事になっている。

桑港事件後報 4日桑港特派員発

日本国民はサンフランシスコ問題に対する現在の米国の態度に満足していないとの報道がワシントン政府を驚かせた。米国の官憲は、この件に関する公式文書が今だ日本で発表されていない為であり、発表されたならば米国に対する世論は一変するであろうと信じられている。

米国政府の苦計 同上

当地の移民官及び連邦検事は、日本人の密入国について調査を開始した。米国新聞は、日本人の入国方法は支那人よりも狡猾で陰険であると日本人に対する過激な評論を掲げ始めた。日本移民問題は到底避けて通れない問題である。この際中央政府が殊更に日本移民の入国に関する調査を始めた事は、これによって洋食店問題に対抗する魂胆があると察せられる。