明治40年6月3日(火)

日本人帰化問題 日本人の帰化權有無に就いて商務省に問い合わせたところ、同省帰化課長は日本人に帰化の権利は無いと回答した。

英国政論社会の意嚮 極東の平和と支那の発展を図る為には、日英露佛間の関係を米、独に及ぼさなければならない

南米に於ける日本人 日本人が南米で勢力を持つようになるならば、その結果は米国の支配権と衝突する事になるであろうと論じた。

日本人帰化問題 1日桑港特派員発

郡検事の意見により先頃ロスアンゼルスにおいて日本人に帰化を許した事は既に報道された通りであるが、同郡書記から日本人の帰化權有無に就いて商務省に問い合わせたところ、同省帰化課長は日本人に帰化の権利は無いと回答した。

解説:5月18日帰化權に就いて報道されている。

英国政論社会の意嚮 同上

極東における欧州諸国政策及び日米間紛争はロンドン政論社会の問題となっている。スセクテートル紙は、極東の平和と支那の発展を図る為には、諸強国が一致しなければ望み難い。日英露佛間の関係を米、独に及ぼさなければならないと論じた。

解説:当時の新聞には、独逸の危険性と日米衝突の記事が散見される。

南米に於ける日本人 同上

ロンドンのサタデー、イッシュー紙は、南米諸国が日本移民を歓迎する事は日本にとって喜ばしい事であるが、日本人が南米で勢力を持つようになるならば、その結果は米国の支配権と衝突する事になるであろうと論じた。