明治40年5月14日(水)

日佛協商と露紙 現在進行中の日露協商は、日佛協商と同じく東洋の平和と東洋における列国の均勢を一層確実にさせるものであり

独逸と海軍 独逸海軍協会大会に於いて、各演説者全員が、独逸海軍に対する英国の嫉妬や怨根を理由にして海軍を拡張する必要を説き

摩洛哥益々不穏 在留欧州人は軍隊の護衛の下で同地を引き払った。

印度人集会禁止 1週間前に文書による申出をしない限り土民の集会を許可しない旨を布告した。

日佛協商と露紙 12日ベルリン特約通信社発

露国新聞ロシア紙によると、現在進行中の日露協商は、日佛協商と同じく東洋の平和と東洋における列国の均勢を一層確実にさせるものであり、日佛協商はこの日露協商に付帯して、自然に生まれべきものである。露国はこの協商が印度支那に対する危険を一掃した点に於いて非常に歓喜する者である。

独逸と海軍 13日タイムス社発

ベルリン来電―コロン市で開かれた独逸海軍協会大会に於いて、各演説者全員が、独逸海軍に対する英国の嫉妬や怨根を理由にして海軍を拡張する必要を説き、独逸の現在の建艦計画は遅緩であり、海軍拡張は今後ますます緊要であると主張した。

摩洛哥益々不穏 13日上海経由ロイター社発

モロッコのマラケス地方の情勢は益々不穏となり、在留欧州人は軍隊の護衛の下で同地を引き払った。

印度人集会禁止 同上

シムラ来電―印度政庁は官報号外を発行し、東部ベンカン及びホンジャの或る地方に限って、1週間前に文書による申出をしない限り土民の集会を許可しない旨を布告した。

日佛協商と露紙 12日ベルリン特約通信社発

露国新聞ロシア紙によると、現在進行中の日露協商は、日佛協商と同じく東洋の平和と東洋における列国の均勢を一層確実にさせるものであり、日佛協商はこの日露協商に付帯して、自然に生まれべきものである。露国はこの協商が印度支那に対する危険を一掃した点に於いて非常に歓喜する者である。