英伊両帝再会見 伊国皇帝はローマの城外にて10分間列車で御会談があったのみ
独逸宰相外交演説 独逸は未だかって兵力を害用した事は無いし、今後もこれを害用するつもりはない。独逸の陸軍はただ平和の維持を唯一の目的としている。
そして必要な場合に国家を防衛するに足るだけの国力を養う為に全力を国内に集中するつもりである。
英伊両帝再会見 1日上海経由ロイター社発
英国皇帝はパリーに向け、ネーブルスを出発された。ローマにはお立ちよりされない。伊国皇帝はローマの城外にて10分間列車で御会談があったのみで、但しローマの政論社会はこの会見は英伊両国の親密な関係を表示するものであると認めている。
独逸宰相外交演説 30日ベルリン特約通信社発
宰相ビュウロー公は帝国議会に於いて、国際問題に係る独逸の地位を弁明した。その中で軍備縮小問題はこれを実行する方法を得て、その後討議を始める事が出来るのであって、現在は未だその時期に至っていない。故にこれを討議すればその結果、だだ列国の感情を傷つけるのみに過ぎない。独逸は未だかって兵力を害用した事は無いし、今後もこれを害用するつもりはない。独逸の陸軍はただ平和の維持を唯一の目的としている。
又英伊両国の親交は、単に三国同盟と両立しえるのみならず、又三国同盟の為に必要である。独逸は他国の戦争に乗じて利益を掴む意思は無い。又現在英独両国の間には親密な関係を破る不和の原因は一つも無い。故に独逸は英露協約の締結に対しても冷淡な態度でこれに臨むであろう。独逸の熱心に希望する事は三国同盟の維持にあり、そして必要な場合に国家を防衛するに足るだけの国力を養う為に全力を国内に集中するつもりである。
解説:独逸の陸軍は平和の維持を唯一の目的としているとの言葉は、中国の人民解放軍の主張に似ている。三国同盟は独逸、オストリア、伊の同盟であったが第一次世界大戦では、伊は結局連合国側で戦った。