明治40年4月30日(水)

露国愈危殆 軍隊内に於ける革命思想の伝搬が激しく、その為当地及びソルサウに於いて捕縛された者が若干いる。

英仏親交と独逸 独逸新聞の多数が英、仏、伊三国に対して頻りに攻撃を加え

キール運河拡張 新式戦艦が通行できる様にキール運河を拡張する

印度暴動警戒 印度のラホールに於ける本社通信員の報道によれば、同地方の民心に不穏な様子が見られる。

露国愈危殆 29日タイムス社発

露都来電―軍隊内に於ける革命思想の伝搬が激しく、その為当地及びソルサウに於いて捕縛された者が若干いる。又将校で止むを得ず辞職した者が少なからず居る。

クロンシュタット要塞兵の行動について同司令部が非常に心配している事は覆うべからざる事実である。

英仏親交と独逸 同上

パリー来電―独逸新聞の多数が英、仏、伊三国に対して頻りに攻撃を加え、甚だしいのは国民自由党の首脳の一人が独逸議会に於いて「英仏協商は独逸を脅かすものであり、独逸は英国の術中に陥り、片隅に押し込められた」と公言した事を称賛したのに拘わらず佛国新聞は極めて平静な態度を取っている。

解説:ヨーロッパ社会における独逸の強引な振る舞いは、何か中国を連想させるものがある。

キール運河拡張 29日上海経由ロイター社発

独逸政府は新式戦艦が通行できる様にキール運河を拡張する為の経費その他の予算を帝国議会に提出した。

印度暴動警戒 同上

印度のラホールに於ける本社通信員の報道によれば、同地方の民心に不穏な様子が見られる。義勇兵は万一の場合に備える為に軍需品倉庫にある小銃、銃弾その他の軍需品を引き出す許可を与えられた。裁判官5名を始め、多数の官吏、大学校教授、技師及び銀行員等が皆この義勇兵団に加盟した。