明治40年4月24日(木)

カイロ市の騒動 平生から粗暴な一派が機会を逃してはならないと過激な態度を示した結果である。

摩洛哥問題と佛独 モロッコに於ける独逸の代表者も最近はその態度を改め、以前ほど無理な議論を主張しない様になった。

カイロ騒動後報 同盟罷業を始めたのは電車ではなく、貸馬車であった。そしてそれも既に終了している。

カイロ市の騒動 23日タイムス社発

エジプトのカイロ市の暴動は、国民党の新聞が政府に反対する運動を扇動する矢先に、平生から粗暴な一派が機会を逃してはならないと過激な態度を示した結果である。英国兵は万一を考えて月曜日以来市中の各部を巡回している。

解説423日に関連記事がある。

摩洛哥問題と佛独 同上

パリー来電―モロッコに於ける特権譲渡に関する佛独の意見の相違は重大な外交上の困難を引き起こすほどには至らないであろうと考えられる。モロッコに於ける独逸の代表者も最近はその態度を改め、以前ほど無理な議論を主張しない様になった。

カイロ騒動後報 23日上海経由ロイター社発

本社のカイロ通信員が報道する所によれば、同盟罷業を始めたのは電車ではなく、貸馬車であった。そしてそれも既に終了している。同盟罷業に加盟した貸馬車の御者はならず者の援助を頼んで電車を破壊した。