明治40年4月15日(火)

日本人通航拒絶  ハワイ行きの旅券を有する日本人299名が英領カナダを迂回して米国に入る目的で、バンクーバーに向かおうとしていた

大統領改選運動 同上

大統領ルーズベルト氏は熱心にタフト氏を共和党の大統領候補にしようとしている

日本人通航拒絶  14日桑港特派員発

ハワイ行きの旅券を有する日本人299名が英領カナダを迂回して米国に入る目的で、バンクーバーに向かおうとしていたが、当地移民官は移民規則14条「合衆国を経由して他の外国に赴かんとする外国人は、検査の上排斥すべき階級に属する事を発見した時は通過を拒絶する事ができる」との規定により、この日本人に対してバンクーバー行き汽船に便乗を許すか否かに就いて商務省に問合せたが今だ何らの回答がない。

大統領改選運動 同上

大統領ルーズベルト氏は先日上院議員フォレーカー氏のカントンに於ける演説は思ったよりも温和であると評し、タフト氏の為には、反対者が寧ろ一層猛烈な演説を行う事を望んだという。要するにル氏が、熱心にタフト氏を共和党の大統領候補にしようとしている事は疑う事の出来ない事実である。