明治40年4月9日(水)

入国訴願却下 米国商務労働省は、メキシコ宛ての旅行券を携帯して、メキシコのエルパソ市から米国に入ろうとした日本人の願いを却下した。

佛独妥協説論評 佛国新聞のある者は、仏独両国の間に妥協が成立し、結局独逸はモロッコに於いて佛国に譲歩し、その代わりに佛国はバクダット問題に関して独逸に譲歩する

入国訴願却下 8日桑港特約通信員発

米国商務労働省は、東京で公布されたメキシコ宛ての旅行券を携帯して、メキシコのエルパソ市から米国に入ろうとした日本人の願いを却下した。

近頃5百名の日本人が米国入る目的でメキシコに上陸したとの情報を入手し、米国政府はメキシコとの国境に探偵を配置して厳重な警戒を行っている。

佛独妥協説論評 7日ベルリン特約通信社発

佛国新聞のある者は、仏独両国の間に妥協が成立し、結局独逸はモロッコに於いて佛国に譲歩し、その代わりに佛国はバクダット問題に関して独逸に譲歩する事になるであろうと論評している。しかし独逸はモロッコに関し、専決の権利を持たないと同様に佛国はバクダット問題を勝手に専決する権利を持っていない。故に佛国新聞のこの報道は無意義である。