明治40年3月30日(日)

加奈陀と日本人 ナタル移民条例を模範とする移民法案が今期の英領コロンビア議会に提出される筈である。

摩洛哥事件と獨西 独逸政府は佛国軍隊のウジダ占領は一時的なものである事を希望している。スペイン政府はモロッコに対する佛国の態度に完全に賛同する旨を発表した。

加奈陀と日本人 29日タイムス社発

オタワ来電―ナタル移民条例を模範とする移民法案が今期の英領コロンビア議会に提出される筈である。しかしカナダ政府の当局者は日加条約に規定されているカナダ政府の義務を重んじ、この様な法案に対し断然不同意を表する事は疑う余地がない。

解説:英領コロンビアの命名は、コロンビア地区がアメリカとカナダに跨っている為に、アメリカ領とイギリス領の区別をするために英領コロンビアと命名された。最大の都市は、バンクバーである。

摩洛哥事件と獨西 28日桑港特派員発

独逸政府は佛国軍隊のウジダ占領を是認したけれども、その占領は一時的なものである事を希望している。又独逸はモロッコ事件の再発を喜んでいないが佛国に対して温和な態度を採りつつあるのは、独逸の利害関係が一層重大なトルコに於ける自由行動を英仏両国に黙認させる為であると信じられている。

ウジダを占領した佛国司令官リアントリー少将からの公報によれば佛国艦隊は昨27日、示威運動を行った。セバヒス号は明後30日でなければ到着しないと思われる。

スペイン政府はモロッコに対する佛国の態度に完全に賛同する旨を発表した。