明治40年3月25日(火)

米国人の杞憂 我が国が僅かな兵を集めている間に、日本は25万人の軍隊を太平洋沿岸に上陸させる事ができる

羅馬法王の楽観 佛国もやがて後悔して再び同教と結合する時期があると思うと付言した。

米国人の杞憂 23日桑港特派員発

兵器発明家マキシム氏は、ニューヨーク駐在英国総領事の送別会に於いて次の演説を行った。

我が米国人は、日本が70万人の熟練した陸兵を有するのに反して、我が国が5万の常備軍しか有していない事をしっかりと記憶しなければならない。我が国が僅かな兵を集めている間に、日本は25万人の軍隊を太平洋沿岸に上陸させる事ができるであろう。米国は速やかに少なくとも2億ドルを投じて、万一の場合に備えなければならない云々。

解説:発明家マキシムは、世界で最初の全自動式機関銃であるマキシム機関銃を発明し、この機関銃の登場により、日露戦争や第1次世界大戦で見られるように歩兵の戦闘様相を一変させた。またこの当時から米国は日本を脅威と認識し、対日戦争計画の「オレンジプラン」が作成された。

羅馬法王の楽観 同上

ローマー法王は佛国政府の迫害にも拘わらず日本、支那、アビシニアの諸国が法王代理者に大いなる名誉を与えており、カトリック教の勢力は世界を風靡する勢いがあると言い、そして佛国もやがて後悔して再び同教と結合する時期があると思うと付言した。

解説19061213日「佛国政教分離問題」の記事を始め、14日、16日、17日、18日に、フランスで政教分離法が制定された結果、宗教施設の差し押さえ、神父の追放等の記事がある。