明治40年3月17日(月)

転航禁止令 余はメキシコ、カナダ及びハワイに赴くべき旅行免状を所持する日本人及び朝鮮人の労働者が米国大陸に入る事を拒否する事を命令した。

露国議会停会 農民は罷工者を援け、学生も亦これを扇動しつつある。武器と爆裂弾の発覚により如何に革命党の準備が整っているか明らかになった。

転航禁止令 15日桑港特派員発

去る14日大統領が発布した転航禁止令は、日本人に対して非常に不当なものであり、大統領は次の様に述べている。

余は日本政府が技術ある者と普通の者とを問わず、労働者である同国人又は朝鮮人に与えたメキシコ、カナダ及びハワイ行きの旅行免状を所持する者が合衆国に来ようとする時、これを使用する事は、米国の労働状態を混乱させるものと認める。それ故に225日公布した移民法が余に与えた権力により、また商務省から余に提供された完全な証拠によって、余はメキシコ、カナダ及びハワイに赴くべき旅行免状を所持する日本人及び朝鮮人の労働者が米国大陸に入る事を拒否する事を命令した。

解説:ここにある225日公布の移民法に関する記事が222日に書かれている。

露国議会停会 同上

露都来電―露国皇帝が首相ストリヒン氏の意に反して、議会に停会を命じた理由は、モククワの同盟罷工が蔓延して、その結果国会の解散となる事を予防する為であるという。

農民は罷工者を援け、学生も亦これを扇動しつつある。武器と爆裂弾の発覚により如何に革命党の準備が整っているか明らかになった。

大蔵大臣は国会の解散は商工業社会の崩壊をきたすであろうと申し上げた。

立憲民主党は土地分配問題について政府に譲歩するであろうし、そしてストリヒン氏を首相とする自由主義の内閣が成立するならば露国は平静になるであろうと云うのが一般の観測である。