明治40年2月12日(水)

華盛頓会議現状 日本学童問題は、現在ワシントンに居るサンフランシスコ当局者の意向が変った為に、全く行き悩みの状態である。

桑港市長曰 大統領に余が屈服したとの噂は、全く無根であり、加州人として、余は我が州のために努力する

日本人排斥 白人労働者は、徒党を組み日本人を脅迫し、退去させてしまった。その為会社は、この白人労働者の中の下手人を告訴した。

華盛頓会議現状 12日ワシントン特約通信員発

日本学童問題は、現在ワシントンに居るサンフランシスコ当局者の意向が変った為に、全く行き悩みの状態である。

加州から彼らに対して、強硬な態度を取る事を勧告した電報数は、700通となっている。

桑港市長曰 12日サンフランシスコ特約通信員発

日本人排斥協会の激烈な屈従反対電報に対して、市長は、「未だ何ら決定した事は無い。協定が決定するまで、双方は秘密を守る事になっている。大統領に余が屈服したとの噂は、全く無根であり、加州人として、余は我が州のために努力するであろう」と返電した。

日本人排斥 同上

オレゴン州ポートランド付近に於いて、南太平洋鉄道会社は、白人労働者に代えて日本人を雇ったが、白人労働者は、徒党を組み日本人を脅迫し、退去させてしまった。その為会社は、この白人労働者の中の下手人を告訴した。

解説:日本人排斥運動の原因は、この様に低賃金で働く日本人労働者に依って、白人の仕事が奪われる事にあった。