明治40年2月10日(月)

露国募債の一策 佛国政府が、佛国の資本金で、露国の二大鉄道を敷設する予定の大会社をパリーに設立する事を許可

学生退去を命ぜらる 独逸総選挙に際し、社会党議員の選挙を援助した外国人学生(主としてロシア人)

露国募債の一策 9日タイムス社発

パリー来電ー社会党は、露国公債を佛国市場に売り出そうとする秘密の計画が、間違いなくあると主張しており、これに関する佛国代議院での討論が終了した。社会党党首ジョーレス氏の格言に依れば、は、佛国政府が、佛国の資本金で、露国の二大鉄道を敷設する予定の大会社をパリーに設立する事を許可しようとしている。これは、仮装した露国公債の募集に外ならない愚かな計略である。大蔵卿は、これに答えて、いかなる外国公債も我が政府の承認を得ることなく、正常に市場に売り出す事は出来ない。但し余は、必ずしもジョーレス氏の所説を否認する訳ではない。

学生退去を命ぜらる 9日上海経由ロイター社発

独逸総選挙に際し、社会党議員の選挙を援助した外国人学生(主としてロシア人)は、間違いなく2週間以内に独逸国を退去すべきとの告示を受けた。