明治40年1月18日(土)

通商条約批准 首相は、今回の条約は、両国の通商関係を一層良好にするものである。我々は、英国の文明なる同盟者として、日本を遇しなければならないと明言した。

排日運動の影響 米国の一地方に悲しむべき事件が発生したのは遺憾に堪えない。その地方が日本との貿易で多大な利益を得ているにも拘らず

通商条約批准(加奈陀首相の演説)17日タイムス社発

オタワ来電―日加通商条約批准案は、カナダの下院を通過した。コロンビア州選出の議員は、日本人が続々とカナダに入り込めば、白人は到底彼らと対等に競争することは出来ないとの理由で反対した。しかし首相は、若しカナダが日本との通商を希望しないならば止むを得ないが、希望するならば、今回の条約は、両国の通商関係を一層良好にするものである。我々は、英国の文明なる同盟者として、日本を遇しなければならないと明言した。

排日運動の影響 17日桑港特派員発

新任商務卿ラトラウス氏が、米国貿易協会に於いて行った演説の一節に次の様に述べている。米国の一地方に悲しむべき事件が発生したのは遺憾に堪えない。その地方が日本との貿易で多大な利益を得ているにも拘らず、日本との貿易関係を危うくしようとしていることは嘆かわしい事である。今だ表面的には重大な影響が見られないが、不幸にしてこの事件が円満に解決されなければ、或いは報復を受けるかも知れない。