明治40年1月3日(金)

日本人の憎き所以 カフフォルニアの住民は、いずれ日本と戦わざるを得なくなるであろうと確信している。日本は、フィリピン及びハワイをその手に収めようと欲しており、

桑港事件の前途 連邦政府の権利と各州の主権に関する一大論争を含んでいる。しかし米国の善意と日本の機智とでこの問題に関して、必ず満足な解決策を発見するに至るであろう。

日本人の憎き所以 2日ロンドン特約通信員発

タイムス紙に達したワシントン特電によれば、カフフォルニアの住民は、一般的にいずれ日本と戦わざるを得なくなるであろうと確信している。日本は、フィリピン及びハワイをその手に収めようと欲しており、ただ現在、直ちに一撃を試みることができないのは、その財政が不十分な為である。

又日本人が当地で憎悪されるのは、その商工業上に有する才能を嫉妬される為である。彼等は、料理店を開き、食料品店を商い、果実を作り、一つとして成功しないものはない。その為米国の富豪中、到底これと競争する事ができなくて、その仕事のやり方を変えた者まで現れている。

桑港事件の前途 2日ロンドン特約通信員発

タイムス紙は、その社説で次の様に述べている。

現在大統領の解決を待っている問題は、極めて重大なものであり、これを軽視する事はもっての外の誤りである。この問題の中には、連邦政府の権利と各州の主権に関する一大論争を含んでいる。しかし米国の善意と日本の機智とでこの問題に関して、必ず満足な解決策を発見するに至るであろう。