明治39年12月23日(月)

日露談判現状 談判は、依然として行き悩みの状態である。両国の代表者は、先月19日以来、未だ一度も会議するに至っていない。

日露談判現状(目下行悩中)21日露都特約通信員発

談判は、依然として行き悩みの状態である。両国の代表者は、先月19日以来、未だ一度も会議するに至っていない。

両国の争点

信頼すべき筋からの情報によれば、公海(?)での漁業権及びシベリアにおける通商上の特恵措置に対する日本の要求は、共に露国が排斥している。露国の主張は、ポーツマス条約の規定は、領海の漁業権のみを規定しており、公海の漁業権についての規定は無い。又シベリアの貿易は、日本陸軍の勢力が及ぶ範囲でなく(誤字の為意味不明)との主張である。

これに対して日本の主張では、露国のポーツマス条約に対する解釈は、あまりにも狭すぎ、到底正常資する事は出来ないとしている。