明治39年12月5日(木)

米国大統領の苦心 合衆国南部諸州の元老院議員及び下院議員は、大統領の態度を以て、暗に南部諸州に於ける国人の隔離学校に対する攻撃の意味も含むものと推察している。

摩洛哥の形勢 佛、スペイン両国は、アルビシラス条約に規定された治安保護の任務を履行しようとしている。

米国大統領の苦心(憲法問題と対日問題) 3日ワシントン特約通信員発

合衆国南部諸州の元老院議員及び下院議員は、大統領ルーズベルト氏が、カルフォルニア州の諸学校に強制的に日本学童の入学を許可させるために尽力中であるとの報道に接して、非常に激昂している様子である。彼らは、大統領の態度を以て、暗に南部諸州に於ける国人の隔離学校に対する攻撃の意味も含むものと推察している。

摩洛哥の形勢 4日ロンドン特約通信員発

パリー来電―モロッコ政府の権勢が日を追って衰退する事実を顧みて、佛、スペイン両国は、なるべく迅速に、軍艦及び軍隊をタンジールに派遣して、アルビシラス条約に規定された治安保護の任務を履行しようとしている。