明治39年11月25日(月)

露国新聞の盲論 日米の紛争が平和的に解決できるかどうかを疑い、両国の関係は、日露の開戦前の情勢に類似していると説き

英清阿片協商 清国はインドの利益を害して、単に自国の歳入入増加を図る為に阿片の禁止を口実に利用しない明確な証拠を提供しなければならない。

佛国海軍拡張案可決 政府提出の海軍拡張案を可決し、本年度に戦艦6隻の新造に着手することを是認した前期議会の議決通りに確定した

露国新聞の盲論 24日ロンドン特約通信員発

露都来電―ノーオエ、ウレミヤ紙は、 駐日露国公使パクメチエフ氏が、テゲレンに於ける漁業会社の利益を保護できない事を非難した。

又同紙は、日米の紛争が平和的に解決できるかどうかを疑い、両国の関係は、日露の開戦前の情勢に類似していると説き、なお更にフィリピン群島は、列強に加わった日本の獲物になるだろうと論評した。

解説:この見方は、現在からみると必ずしも盲論ではなかった。アメリカは、スペインとの戦争を終え、フィリピンを領有すると日本が潜在的な脅威となり、その後対日戦争計画の研究を開始している。

英清阿片協商 24日上海経由ロイター社発

ロンドンタイムスは、清国に於ける阿片禁止問題を論評して、次の様に述べた。

清国はインドの利益を害して、単に自国の歳入入増加を図る為に阿片の禁止を口実に利用しない明確な証拠を提供しなければならない。万一この様な不都合が事実として証明される場合には、英国は協商を拒絶すべきである。

佛国海軍拡張案可決 24日上海経由ロイター社発

佛国代議員は、112票対393票の多数を以て、政府提出の海軍拡張案を可決し、本年度に戦艦6隻の新造に着手することを是認した前期議会の議決通りに確定した。本案を討議の際に、海軍卿は、遠洋艦隊を設置する必要を主張し、もし日本が防御艦隊のみを有していたならば、その地位は、実に絶望的であっただろうと述べ、又潜航艇は、未だ実験の段階であると言明した。