明治39年11月15日(金)

独国農相辞職 将軍は、独領アフリカのタマランド軍需品に関する醜聞に関係したと伝えられ、又外国の牛馬肉を厳しく排斥して、牛馬肉の大欠乏を来したため、市民の大不評を招いたと言われている。

太平洋艦隊発遣の真意 英国大西洋艦隊がモロッコに向かったのは、示威運動の為ではなく

独国農相辞職 14日上海経由ロイター社発

独帝は、久しく躊躇された後、遂に農務大臣ポドピエルスキ将軍の辞職を受理された。

将軍は、独領アフリカのタマランド軍需品に関する醜聞に関係したと伝えられ、又外国の牛馬肉を厳しく排斥して、牛馬肉の大欠乏を来したため、市民の大不評を招いたと言われている。

将軍の辞職は、本日再び開かれる帝国議会に於いて、反対党の有力な政府攻撃材料を奪う事になり、その結果宰相ビューロー公の勢力を強める事になるであろう。

太平洋艦隊発遣の真意 同上

公報によれば、英国大西洋艦隊がモロッコに向かったのは、示威運動の為ではなく、唯予め計画された巡洋航海に出発したに過ぎないと言われている。