明治39年10月13日(日)

露都訪問見合せ 英国の委員が、露国議会に建言書を提出する為に、露国を訪問する計画は、見合わせられる事になった。

伊国前陸相の失言 イタリアの軍備は、アルプスからクワルネーロに至るまでの間に於いて、イタリアの現状が維持される為の最良の保障であると述べた。

露都訪問見合せ 12日上海経由ロイター社発

英国の委員が、露国議会に建言書を提出する為に、露国を訪問する計画は、意思の疎通を欠くところがあり、露国の誤解を招く恐れがある為に見合わせられる事になった。尤も委員の中の一人が、単独で露都に赴き、私的に建言書を提出するのではと言われている。

伊国前陸相の失言 同上

イタリアの元陸軍卿で、現在同国第四軍団司令官であるペダチ将軍ハ、チューリンに於ける演説で、イタリアの軍備は、アルプスからクワルネーロに至るまでの間に於いて、イタリアの現状が維持される為の最良の保障であると述べた。

元来、クワルネーロは、オーストリアの領土である為、この演説は人心を動揺させ、オーストリアとイタリアの関係に面白くない結果を生じる恐れがある。