明治39年10月7日(月)

北満現状一班 日本商人は、その後続々と入ってきており、既に百余名に達しているが今だに商業を営んでいる者はいない。

北満現状一班 6日寛城子特派員発

我が最前線である帽家屯(ぼうかとん)に居る憲兵分隊長から寛城子(かんじょうし)露国旅団参謀部へ交渉した日本人の長春入り拒絶の件は、未だ露国側からその理由について回答がない。但し日本商人は、その後続々と入ってきており、既に百余名に達しているが今だ商業を営んでいる者はいない。露兵は、常に市外(城内)を横行しており、ともすれば日本人の行動に妨害を加え、又は不快の念を与える事は戦争前と異なる事無し。