明治39年9月18日(水)

英独新聞と満州 ローカル、アンツアイゲル紙の通信員は、満州の状況を視察して、日本が他国を阻害して、独りで有利な地位を占めている事を非難した。

独逸植民政策 独逸政府は、南阿ダマラランドに於ける臨時事件費として、来る11月に更に5百万マルクを帝国議会に要求するであろうとの風説がある。

米国干渉予防 キュウバ政府は、叛徒の首領と協議をした上で、交戦を無期限で停止する旨の布告をした。

英独新聞と満州 17日ロンドン特約通信員発

ベルリン来電―ローカル、アンツアイゲル紙の通信員は、満州の状況を視察して、日本が他国を阻害して、独りで有利な地位を占めている事を非難した。

しかし英国の新聞デイリー、テレグラフ紙は、軍政及び下級官吏の失策により、満州に於いて時々問題が発生する事はあるが、外国人が訴える苦情の大半は、誇張か、或いは無根であると述べている。

独逸植民政策 17日上海経由ロイター社発

独逸政府は、南阿ダマラランドに於ける臨時事件費として、来る11月に更に5百万マルクを帝国議会に要求するであろうとの風説がある。しかし植民地の行政事務に関する国民の不満は非常に激しく、帝国議会が果たして、前記の様な巨額な経費に賛成するかどうかは非常に疑わしい状況である。

解説:ダマラランドは、現在のナンビアにある。ナンビアは、1884年南西アフリカとして、ドイツの保護国となっている。

米国干渉予防 同上

キュウバ政府は、叛徒の首領と協議をした上で、米国国務卿代理のタフト氏が到着する以前に平和を回復する為、交戦を無期限で停止する旨の布告をした。そうでなければ米国の干渉を受けざるを得なくなるであろう。