明治39年9月5日(木)

特恵関税と独逸 若し豪州連邦政府が提議する特恵主義の関税政策が実施されたならば、独逸は報復手段をとるであろうとの警告を受けた。

独逸水兵上陸問題 チリー政府は、独逸とチリー両国間の問題にはならないと認めている

特恵関税と独逸 4日ロンドン特約通信員発

シドニー来電―当地の英国商人は、若し豪州連邦政府が提議する特恵主義の関税政策が実施されたならば、独逸は報復手段をとるであろうとの警告を受けた。しかし連邦政府は、その提議を撤回する事は無いであろうと信じられている。

独逸水兵上陸問題 4日ベルリン特約通信社発

ヴェルパライソに於けるドイツ人の財産を保護する為に、独逸巡洋艦フォルケは、水兵を上陸させたが、この件については、様々な誤報が伝えられている。しかし今やチリー在留の佛国アゾス通信員も、チリー政府は、この水兵の上陸によって、独逸とチリー両国間の問題にはならないと認めていると通信した。