明治39年9月1日(日)

露国政府不安 政府部内には、非常に不安な雰囲気がある。

佛国の秦皇島占領 昨日30日の佛字新聞の報道によれば、佛国が秦皇島に於ける広大な土地に、佛国の印がある棒杭を打ちこんだ

露国政府不安 31日ロンドン特約通信員発

ペテルスブルグ来電―政府部内には、非常に不安な雰囲気がある。この上強硬な手段を取るならば、唯現在の無政府状態を益々激しくするだけであるとの考えが漸く盛んになろうとしている。汽車は、護衛兵を乗せて運行している。

佛国の秦皇島占領 31日上海特派員発

昨日30日の佛字新聞の報道によれば、佛国が秦皇島に於ける広大な土地に、佛国の印がある棒杭を打ちこんだが、これは占領の意図がある事を示すものであり、佛国公使が、本国政府の命により、占領を命じたと思われる。

この報道は、一時世間を騒がせたが、本国から何らの確報が無いのみならず、秦皇島は、元来外国との関係に面倒なものがある為、佛国は、理由なくしてこの地を占領する様な事は決してなく、多分何らかの間違いではないかと一般に信じられている。

解説:秦皇島は、北京の東方270kmにある渤海湾に面した港町