明治39年8月28日(水)

露国首相邸惨劇後報 首相ストリヒン氏邸の爆弾騒ぎで、死亡した者は30名である。

大強盗の横行 露国の各地方に於いて、貨幣製造所や列車等から奪われた金額は、一日数十万ルーブルになっている。

露国首相邸惨劇後報 27日上海経由ロイター社発

首相ストリヒン氏邸の爆弾騒ぎで、死亡した者は30名である。ザミアチン将軍、帝室顧問官クオストフ、侍従ウオーロニン及びタイドフ、憲兵中佐フェドロフ、ナカシツゼ公、婦人4名、子供2名、従者及び護衛兵数名である。

その後の詳報によれば、曲者4名の内2名は軍服を、2名は文官服を着用し、馬車に乗り込み、到着した。

大強盗の横行 同上

露国の各地方に於いて、貨幣製造所や列車等から奪われた金額は、一日数十万ルーブルになっている。

エリワン発ペテルスブルグ行きの郵便袋も盗難に遭い、封印を被ることなく、嚢中の15万ルーブルの金が抜き取られていた。