明治39年7月31日(水)

満州現状論評 モリソン博士は、日本が満州からの撤兵等の義務を誠実に実行中であることを認めるが、満州に渡航する日本人の中には好ましからぬ性格のものも多くいると明言した。

満州馬賊の陰謀 30日北京特派員発

馬賊の頭領エンボと称する者が数カ月まえから、満州全土の馬賊を糾合して、日本人を殺害し、日清間の交渉を起こさせ、

満州現状論評 30日ロンドン特約通信員発

ロンドンタイムスの北京通信員モリソン博士は、満州の視察を終わって、北京に帰着した。

博士は、日本が満州からの撤兵等の義務を誠実に実行中であることを認めるが、満州に渡航する日本人の中には好ましからぬ性格のものも多くいると明言した。

ロンドンタイムスは、社説に於いて、日本があくまでも名誉を重んじる行為に満足の意を表し、英国は今まで一点の疑心も抱いた事が無いと断言した。それより外国人の苦情に対しては、これをよく調査する事を日本に勧告し、最後に奉天及び安東懸に英国の商業事務官を派遣する事を提唱した。

解説:モリソン博士は、義和団の乱の際にも、北京籠城戦で活躍した英国随一の支那通である。

満州馬賊の陰謀 30日北京特派員発

馬賊の頭領エンボと称する者が数カ月まえから、満州全土の馬賊を糾合して、日本人を殺害し、日清間の交渉を起こさせ、その期に乗じて漁夫の利を占めようと計っている。ビシカに於ける襲撃事件は、その第1歩であり、間もなく奉天に於いても暴動を起こす予定と言われている。