明治39年6月23日(日)

英露協商未し 両国の親密な関係は、間違いないものの、露国の現状は協議の着手を不可能としていると言える。

米国とユダヤ人虐殺 政府として何らの行動も執る事は出来ない。干渉する事は、害があっても益は無い。

露国大動乱 露国の諸都市に於いて、軍隊の反乱があり、又セバストポールに於いて、要塞兵が反乱し、砲を押さえた。

英露協商未し 22日ロンドン特約通信員発

最も信頼すべき筋に伝えられた情報によれば、英露両国は、協商を行う意思がある事に疑いは無いが、しかしなお未だ協議を開始するまでには至っていない。両国の親密な関係は、間違いないものの、露国の現状は協議の着手を不可能としていると言える。

米国とユダヤ人虐殺 22日上海経由ロイター社発

米国大統領は、ニューヨークのユダヤ人に次の様に告げた。

政府は、露国ピアリストックに於けるユダヤ人の虐殺に対して、政府として何らの行動も執る事は出来ない。干渉する事は、害があっても益は無い。

露国大動乱(陸海軍兵愈々起つ) 同上

露国の諸都市に於いて、軍隊の反乱があり、又セバストポールに於いて、要塞兵が反乱し、砲を押さえた。しかしやがて降伏し、武器を取り上げられた。

オデッサに於いて、再び艦隊の兵員が反乱し、市街を砲撃する恐れがあり、黒海の海運業は、これによってストップし、同盟罷工は、収拾できないまでに乱れ切っている。

クロンシュタットに於いても、不平の気運が高まり、公然と上官に反抗する勢いを示すようになっている。