明治39年6月16日(日)

露国内乱 ピータスブルグの株式相場は、突然、大暴落をした。各地の情勢は、日を追って益々不穏になりつつある。

英国将校の奇遇 エジプトに駐在する英国将校5名が狩猟に出かけ、第6騎兵隊のブル大尉は、こん棒で撲殺され

又々ユダヤ人虐殺 ユダヤ人の無政府主義者が、聖餐祭の行列に爆裂弾を投げ込み、多数の人々を殺傷した。

露国内乱(株式相場の暴落)(革命的暴動の兆) 15日ロンドン特約通信員発

露都来電―ピータスブルグの株式相場は、突然、大暴落をした。

各地の情勢は、日を追って益々不穏になりつつある。

日ならずして、バルト海沿岸の諸州に、又もや革命的騒動が勃起する兆候がある。

英国将校の奇遇 15日上海経由ロイター社発

エジプトに駐在する英国将校5名が狩猟に出かけ、タンター付近の一村で鳩を打っている時、村民に取り囲まれてしまった。銃を奪われ、第6騎兵隊のブル大尉は、こん棒で撲殺され、乗馬司歩兵隊のペイン大尉は、腕を折られ、タブリン軽騎兵隊のスミス中尉は、心臓を激しく傷つけられた。

又々ユダヤ人虐殺 同上

露国ピエロストツクに於いて、ユダヤ人の無政府主義者が、聖餐祭の行列に爆裂弾を投げ込み、多数の人々を殺傷した。それからユダヤ人の虐殺が始まり、数百人が落命した。負傷したユダヤ人は、森の中に逃げ込んだが暴民は尚もこれを追跡した。