明治39年6月13日(木)

露国現状 議院に多数を占める党派で政府を組織するという計画は、遂に放棄された

南阿英領叛乱 マッケンジー大佐は、遂に叛徒の一部をモメ渓谷に包囲し、首領のメロカズル以下350名の土民を殺した。

三国同盟と墺帝 オーストリア皇帝は、オーストリアとハンガリー議会の代表者を引見し、三国同盟は、平和の貴重な保証であると明言された。

露国現状 12日ロンドン特約通信員発

露都来電―議院に多数を占める党派で政府を組織するという計画は、遂に放棄されたと専ら噂されている。

露国軍隊中に不満の声が非常に高い。

要塞は、いたる所で陰謀の嫌疑を受けつつある。

南阿英領叛乱 12日上海経由ロイター社発

マッケンジー大佐は、遂に叛徒の一部をモメ渓谷に包囲し、首領のメロカズル以下350名の土民を殺した。トランスバール派遣隊付き大尉1名及びナタル部隊付き将校1名が戦死した。この外に白人の負傷者が8名居た。今や武器を執って反乱の鎮圧に従事中の白人は、早計5400人であるが、ナタル政庁は、現在更にナタルに於いて200名、ケープタウンに於いて500名の義勇兵を募集中である。

三国同盟と墺帝 11日ベルリン特約通信社発

オーストリア皇帝は、オーストリアとハンガリー議会の代表者を引見し、三国同盟は、平和の貴重な保証であると明言された。なお又今回独帝が、ウインを訪問された事及び独帝と皇帝との親密な交情についても、諸々の御説明が行われた。