明治39年6月11日(火)

南阿叛乱続報 土民の叛乱区域が拡大した為、本国兵を使用する必要があるとの感想が、ナタル在住の英人の間に益々強くなっている。

南阿支那人問題 南阿に於ける支那人で旅費の払戻を申し出た者は、僅か12名に過ぎなかった。

南阿叛乱続報 9日上海経由ロイター社発

土民の叛乱区域が拡大した為、本国兵を使用する必要があるとの感想が、ナタル在住の英人の間に益々強くなっている。ブルランド在住の白人も不安の念を強く抱くようになっている。

マッケンジー大佐は、密林に潜伏している土民への攻撃を延期したが、これは、捜索によって非常に兵士を疲れさせる為である。

南阿支那人問題(植民大臣不信認) 同上

英国下院に於ける討議で、植民次官チャーチル氏は、次のように言明した。

南阿に於ける支那人で旅費の払戻を申し出た者は、僅か12名に過ぎなかった。この事実は、一般に支那人が帰国を希望していると云う事実を証明していない。従って現在の制度を永久に持続しても差し支えない。

英国植民省予算に対する植民次官チャーチル氏の演説と植民大臣の俸給を削減すべしとする労働党の動議に対する与論は紛糾している。