明治39年5月30日(木)

独逸議会の波乱 独逸帝国議会は、事実上独逸領南西アフリカに関する追加予算の全部を否決し、次いで植民省の開設費を否決した。

露国議会別報 露国議会は、国民私権の不可侵に関する議会提出案を討議した。

独逸議会の波乱 19日上海経由ロイター社発

独逸帝国議会は、事実上独逸領南西アフリカに関する追加予算の全部を否決し、次いで植民省の開設費を否決した。

独逸政府がこの様な苦々しい失敗を招いた原因は、今回南阿駐屯軍の司令官に任じられたダイムリング大佐の演説にある。大佐は、あたかも練兵場に於いて、軍隊を訓練するような、割れんばかりの大声で、議会で演説を試み、余は皇帝の命令が無い限り、予算委員の発議した提案は、これを顧みない決心である。可否を採決するのは、独り一人、皇帝の大権に属すと言い放った。これに対して議場は、非常に喧騒を極めた。

露国議会別報 28日パリー特約通信社発

露国議会は、国民私権の不可侵に関する議会提出案を討議した。

露国政府は、議会が、上奏案を以て要求している殆ど全ての改革を拒絶する宣言を議会で朗読させた。その為議会は、閣員の辞職を要求する決議案を、多数で可決した。この際議場は、非常な喧騒を極めた。露国の諸新聞は、この勢いはやむを得ないものとして、内閣に辞職を勧告した。