明治39年5月15日(水)

露国外相交迭評 イズウオルスキーが露国外相に任命されたとの報道は、佛国の人心に良好な感想を与えた。

土耳格屈服す トルコはサイナイ半島からその軍隊を引き揚げた。

独逸兵の領域侵犯 同上

南西アフリカに於いて、独逸軍隊は、酋長メレンガを追討して、英国の領域に侵入した。

露国外相交迭評 14日ロンドン特約通信員発

パリー来電―イズウオルスキーが露国外相に任命されたとの報道は、佛国の人心に良好な感想を与えた。

新外相は、温和な非侵略主義の外交政策を露帝に進言し、且つ英露の関係改善を企画するであろうと一般に信じられている。

土耳格屈服す 12日ベルリン特約通信社発

トルコはサイナイ半島からその軍隊を引き揚げた。英国との紛争は、これで落着した。

独逸兵の領域侵犯 同上

南西アフリカに於いて、独逸軍隊は、酋長メレンガを追討して、英国の領域に侵入した。英国政府は、この報に接するや、直ちに抗議を提出したが独逸は、英国の抗議を承認した。

解説:南西アフリカは、南アフリカの北にあった独逸の植民地であり、植民地政権に対するナマクワ族の反乱が、1908年まで行われた。