五月一日(社会党に対する警戒) 社会党の暴動を警戒して、佛国政府は、5月1日、軍隊によってパリー市街を警備すると思われる。
埃及問題 英艦ミネルバーは、既にモロッコのラレーシュに到着している。
又砲兵一個大隊は、5月第二週にエジプトへ向け、出発する事になっている。
埃及問題 北独新聞は、トルコ政府が強硬な態度を採って、英国の要求に応じないのは、独逸の示唆によるとの議論を排除し
五月一日(社会党に対する警戒) 30日ワシントン特約通信員発
パリー来電―社会党の暴動を警戒して、佛国政府は、5月1日、軍隊によってパリー市街を警備すると思われる。
5月1日は、世界を通じて社会党の記念日であり、従って社会党の勢力が強い国では、万一を気遣い、厳重に警戒するのは毎年の事である。特に今年は、露国に社会党の革命運動があり、又昨今、佛国には、石炭坑夫の激しい同盟罷業が行われ、その勢いは激烈であり、先般既に軍隊と衝突している。そのため佛国政府は、特に今年の5月1日を厳重に警戒している。
埃及問題 1日上海経由ロンドンロイター社発
エジプトへ航行の途中である英艦ミネルバーは、既にモロッコのラレーシュに到着している。
又砲兵一個大隊は、5月第二週にエジプトへ向け、出発する事になっている。
埃及問題 と独逸 同上
北独新聞は、トルコ政府が強硬な態度を採って、英国の要求に応じないのは、独逸の示唆によるとの議論を排除し、独逸はエジプトに於ける英国の地位を凌駕する事を希望していないと述べている。
なお又、ベルリンのポスト紙は、独逸は英国がエジプトの現状を変更する事を見過ごす事は出来ず、トルコ政府は、独逸の決心を一日も早く了解する事が望ましいと論評している。