明治38年11月21日(火曜日)

農民懐柔策別報 現在の農民から取立てている税金を1907年に限り廃止する

頑迷派とウイッテ伯 頑迷派守旧派はこの機に乗じて、武力で国民の運動を鎮圧するよう希望した

ウラジオ騒乱続報(門司)ウラジオの騒乱は尚継続しており、兵士はウオッカ又はウイスキー等をあおっており、あたかも野獣のように手当たり次第に殺傷を行い

農民懐柔策別報 20日上海経由ロンドンルータス社発

露帝は農民に対する土地の払い下げを容易にする為、現在の農民から取立てている税金を1907年に限り廃止するような方法を取るべしとの勅諭を発した。

頑迷派とウイッテ伯 20日ベルリン特約通信社発

頑迷派守旧派はこの機に乗じて、武力で国民の運動を鎮圧するよう希望したけれども首相ウイッテ伯は極力この計画に反対した。

ウラジオ騒乱続報(門司)

独逸船が17日ウラジオを出発し、19日門司に入港した。この船にはウラジオ艦隊司令官エッセン提督の夫人、令嬢及び従者の3人が乗船しており、避難して来ている。今朝上陸し、820分発で長崎に向かう。

ウラジオの騒乱は尚継続しており、兵士はウオッカ又はウイスキー等をあおっており、あたかも野獣のように手当たり次第に殺傷を行い、高齢者は内地深く避難し、婦人、子供の多くは港内に停泊中の船に逃れている。