明治38年11月9日(木曜日)

露国騒乱後報 露国に於ける秩序回復の前途は頗る暗澹としている。

露国新内閣 今回初めて組織される露国新内閣の顔ぶれについて、既に発表された者は次のとおりである。

露国騒乱後報 8日ワシントン特約通信員発

露国に於ける秩序回復の前途は頗る暗澹としている。

オデッサとその付近では暴動が再燃し、ベサラビアに於いてはユダヤ人が虐殺され、店舗は略奪されている。

露国新内閣 8日ベルリン特約通信社発

今回初めて組織される露国新内閣の顔ぶれについて、既に発表された者は次のとおりである。

 外務大臣  ラムスドルフ伯留任

 逓信大臣  ヒルコフ公留任

海軍大臣  元バルチック艦隊司令長官ビリレフ大将

そして総理大臣ウイッテ伯は非常に健康を損ねているため反対党はこれを口実として、伯の辞職を求めようとしている。