バルカンの時局 マケドニヤの財政監督に関して、差し当たり取られる措置は、ロシヤとオーストリー両国大使が同伴でトルコ皇帝に謁見を求める事である
トルコ皇帝会見拒否 各国の大使等はマケドニヤの財政改革について会見を求めたが拒絶された
凶作と進歩党 宮城県では、その善後策として耕地整理及び県道整備等百万円余の大工事を計画し、細民の糊口の資を得さしめるとの事である
バルカンの時局 27日上海経由ロンドン特約通信員発
ロンドンルータス社の得た情報によれば、マケドニヤの財政監督に関して、差し当たり取られる措置は、ロシヤとオーストリー両国大使が同伴でトルコ皇帝に謁見を求める事である。トルコ皇帝に対して恐喝的な手段を取るかどうかはこの謁見の結果如何によるであろう。独逸が共同の歩調をとらないとは偽電である。
露国黒海艦隊は、オデッサ及びアナトリア海岸に向け出発した。これはトルコに対する海軍の示威行動に関係していると信じられている。
トルコ皇帝会見拒否 28日ベルリン特約通信社発
各国の大使等はマケドニヤの財政改革について発言する事を求めて、トルコ皇帝に対して連合して会見を求めたが拒絶された。
凶作と進歩党
進歩党は、東北地方の凶作事件に関して調査する事となり、第一回の会合を開いた。
宮城県知事の説明によれば、本年の凶作は、『愛国』と称する晩稲(おくて)の成熟時期に気候が非常に寒冷となり、全く収穫が無くなった為であり、全体を平均して20~30%の成績を得たのは早稲(わせ)中稲(なかて)の収穫が多少あった為である。宮城県では、その善後策として耕地整理及び県道整備等百万円余の大工事を計画し、その資本は興業銀行からの借り入れ、又其の残余は県債を募り、なお国庫の補助を受け、細民の糊口の資を得さしめるとの事である。なお進歩党委員の救済策は視察員が帰京の上で決定する予定である。