明治38年10月18日(水曜日)

平和条約と清帝 角田公使は昨日慶(けい)親王を訪ね、日露平和条約の内容を告知した

欧州政局とタイムス 独逸が、佛国の挑発によらずして独逸の侵略をうける場合に限り英国が佛国を援助すると言う事に対して、どの様な理由で問題ありとするのか理解に苦しむ

平和条約と清帝 17日北京特派員発

角田公使は昨日慶(けい)親王を訪ね、日露平和条約の内容を告知した。親王は深く平和の成立を賀し、満蒙問題は追って日本と会議し、穏当に協議する旨挨拶した。

外務部は今朝各督撫に電報して、日露条約に関する意見を徴し、又近々御前会議を開く予定である。

欧州政局とタイムス 17日上海経由ルータス社発

ロンドンタイムスは欧州の現在の時局を総合して次の様に評論している。

英仏協商の結果、佛国の徴発が無くして独逸から侵略を受ける場合には、英国が佛国を援助すべき事を独逸が如何にして察知したか知らないが、しかし常に決して他国を侵略する意思が無いと言明している独逸が、佛国の挑発によらずして独逸の侵略をうける場合に限り英国が佛国を援助すると言う事に対して、どの様な理由で問題ありとするのか理解に苦しむ。