明治38年10月12日(木曜日)

 

独逸の解釈   独逸政府は独仏開戦の場合には、佛国を助ける事を同国に申出たとの説について、ロン

         ドンからの説明を得た 

佛国は独立独歩 佛国は英国又は独逸と同盟する事を望んでいない。

艦隊着港の壮観 英国艦隊は1025分投錨地点に達し、滞りなく予定に時刻に到着した。

独逸の解釈(モロッコ問題異聞)11日ベルリン特約通信社発

独逸政府は独仏開戦の場合には、英国はキール運河を占領し、シュシスウエツグに進軍して佛国を助ける事を同国に申出たとの説について、ロンドンからの説明を得た。この説明により独逸政府はこの説は全く無根であり、佛国前外相アルカッセ氏がその地位を維持し、且つ独逸との妥協を妨害する為、同国内閣会議に対して行った一つの策謀に基づくものであると認めている。

佛国は独立独歩 同上

佛国政府側の諸新聞は次の声明を行った。

佛国は英国又は独逸と同盟する事を望んでいない。佛国は両国に対して独立独歩であり、だだこれらと親交を保つ事を望むものである。

艦隊着港の壮観

118時半頃一つの警報があり、英国艦隊がだだ今観音崎沖を通過したと。午前9時になると本牧沖に数条の黒煙が初めて現れ、だんだんその艦影を示し、1025分投錨地点に達し、待ちに待った賓客はここに、滞りなく予定に時刻に到着した。