明治38年10月10日(火曜日)

ウイッテ内閣 ウイッテは近日中に内閣総理大臣に任命され、宰相の全権を付与される予定

馬賊利用上奏 奉天将軍趙 巽は政府の反対があるにも拘わらず之を招致して正規兵とするべきであるとの意見を再び上申した

沿海州漁業の出願 講和条約の結果、本邦人は沿海州に於いて露国人と同一の漁業権を得た

ウイッテ内閣 9日ベルリン特約通信社発

露国通信によればウイッテは近日中に内閣総理大臣に任命され、宰相の全権を付与される予定と言われている。そして外務大臣ラムスドルフ伯爵、陸軍大臣サハロフは留任の予定

馬賊利用上奏 8日北京特派員発

奉天将軍趙 巽は政府の反対があるにも拘わらず若し馬賊を放棄しておくと他国がこれを扇動し、又は其の騒動を口実にして思わぬ災難をもたらす恐れがある事、又馬賊を鎮撫するのが困難であること、並びに馬賊が兵士に適する事等の理由により、之を招致して正規兵とするべきであるとの意見を再び上申した。

沿海州漁業の出願

講和条約の結果、本邦人は沿海州に於いて露国人と同一の漁業権を得た事により、漁業に経験がある人々は外務省に向かって同地に漁業の出稼ぎの願書を提出したが、その数は十数通になったと言われている。