明治38年10月5日(木曜日)

極東貿易と独逸 独逸の船舶は香港、シンガポール、揚子江沿岸においてする英国を圧倒していると明言している

講和条約可決 枢密院会議  天皇陛下が親しく臨御され、講和条約の御諮詢(ごしじゅん)があり、満場何の議論もなく、原案を可決し

日比谷会見合 講和問題同志連合会は比谷公園に於いて大演説会を開く予定であったが当日の実施を見合わる事となった。

極東貿易と独逸 4日上海経由ロンドンルータス社発

極東における独逸の貿易とその発達について、大気焔を上げる記事がベルリンに於いて公にされた。この記事には独逸海運業が英国海運業との競争で好成績を収めていると確信し、独逸の船舶は香港、シンガポール、揚子江沿岸においてする英国を圧倒していると明言している。

講和条約可決 枢密院会議  内国電報

 長崎その他の戒厳令解除

伊藤枢密院議長、東久世副議長以下各顧問官は昨日午前十時から枢密院に参集して、桂首相以下各大臣も出席して、先ず戒厳令解除の件(佐世保、長崎、対馬、函館)に付、土岐海軍主理の説明があり、異議なく可決し次いで、天皇陛下が親しく臨御され、講和条約の御諮詢(ごしじゅん)があり、満場何の議論もなく、原案を可決し、伊藤議長からその旨伏奏(ふくそう)して、正午に散会した。

日比谷会見合  

講和問題同志連合会は、今日5日午後1時から日比谷公園に於いて大演説会を開く予定で、既に昨日市役所から敷地400坪の使用許可を取っていたが、当日枢密院に於いて条約を可決したとの報道があり、更に態度を改める必要を感じ、当日の実施を見合わる事となった。