明治38年9月9日(土曜日)

本条約調印済 月曜日双方の全権が調印を終了した。

調印当時の光景 月曜日の午後347分造船所からの祝砲で講和条約の調印を報じられる

講和条約内容 昨日当局者から本社代表に内示したものは次のとおりである。

 

本条約調印済 5日ワシントン特約通信員発

樺太及び宗谷に防備をしない事の協定が成り、之にて講和条約が完成し、月曜日双方の全権が調印を終了した。

調印当時の光景 7日上海経由ロンドンルータス社発

月曜日の午後347分造船所からの祝砲で講和条約の調印を報じられるとニューカッスル、ポーツマスの両地に於いて各寺院が鐘を鳴らし、各家に国旗を掲げて之を祝した。調印終了の後、ローゼン、小村両男爵は丁重な祝辞を交換した。何れも日露両国が今後友邦となる事を希望する旨を述べて、全権は互いに握手した。

講和条約内容 

昨日当局者から本社代表に内示したものは次のとおりである。

一 日本は韓国に於いて自由行動をする権限を有する。

二 露韓国境上には日露両国とも軍事施設を設けない。

三 日露両国とも満州から撤兵し、之を清国に還付する。

四 長春以南の鉄道及び鉄道付属の露国の特権(撫順、烟台炭鉱の様なもの)は日本の領有とする。又日本は長春から吉林に至る鉄道を敷設する権利を有する。

五 日露両国は鉄道保護の為守備兵を置く。

六 遼東半島租借地及びその地域内に於ける露国の特権、建造物一切は日本の領有に帰す。

七 満州における露国の鉄道及び遼東半島以外の日本所領の鉄道は之を軍事に使用せず。

八 樺太に於いては日露両国共兵備をしない。

九 捕虜の収容費は両国共実費を支払う。