明治38年9月7日(木曜日)

新日英同盟 一敵国の脅迫を受ける場合においても日英両国は共にその利益の保護に任ずべき事を相互に保証し

檄文貼付(佐世保) 千古無比の戦勝という光栄を担える軍人よ、諸君は光栄に大反比例する千古類無き大汚辱の講和成立に対して黙するか

地方の反応(呉)今回の講和条件は千古の大恥辱であり、我々はこれを不成立に終わらせる事を期すると決議し

新日英同盟 1日上海経由ロンドンルータス社発

812日ランスダカン卿及び林公使が調印した日英同盟条約には、一敵国の脅迫を受ける場合においても日英両国は共にその利益の保護に任ずべき事を相互に保証し、且つ極東に於ける現状維持を確保している。

檄文貼付(佐世保)

昨夜、佐世保海兵団の隣にある下士官集会所の壁に、爽快な檄文を貼り付けた者がいる。

その檄文の大要は次の様であった。

千古無比の戦勝という光栄を担える軍人よ、諸君は光栄に大反比例する千古類無き大汚辱の講和成立に対して黙するか。これに甘んじる軍人は大和魂を有するものにあらず。

起てよ軍人諸君、奮へよ軍人諸君

地方の反応(呉)

東京の国民大会が禁止されたとの報に接するや当地の各新聞記者は昨夜集会して、今回の講和条件は千古の大恥辱であり、我々はこれを不成立に終わらせる事を期すると決議し、尚明朝演説会を開く事となった。