明治38年9月4日(月曜日)

市民大会(大阪) 戦士は外に戦い、国民は内に援け、身を捨て家を忘れ,一意奉公至誠国に報いる為である。然るに何事ぞ。戦勝の効果は一朝にして滅却し千古大汚辱が五千万の国民に加えられる。

市民大会(大阪) 

本日午後5時中之島公会堂に於いて市民大会を開く。

府会議議長三谷軌秀氏が議長となり、市会議長日野国明氏が次の宣言書及び決議案を朗読し、満場拍手喝采でこれを迎え、直ちに夫々に電報を送った。参会者は五千余名、時に天候は暗澹たり。

宣言

開戦以来一年有余、未だかって一度も敗れず、帝国の威光は隆々として揚がり、世界の列強はこれを見て驚く他なし。戦士は外に戦い、国民は内に援け、身を捨て家を忘れ,一意奉公至誠国に報いる為である。然るに何事ぞ。戦勝の効果は一朝にして滅却し千古大汚辱が五千万の国民に加えられる。

決議

一、現内閣員及び責任ある元老は速やかに上下に謝罪すべし

一、現講和条件を破棄し、更に戦争を継続する事を期す

右決議する。

小村全権へ電報

閣下の締結されようとしている講和条件は国民の忍ぶところではなく、断然破棄される事を望む。

                           大阪市民大会

満州軍総司令官へ

国民は屈辱的和約に尽力するので貴軍は戦争を継続して敵国を打破される事を望む

大阪市民大会