明治38年8月30日(水曜日)

媾和特報 

(調停余地の有無) 

米国大統領は非常に尽力しているが、我が国の要求する諸件との間には大きな隔たりがあり、調停の余地の存在は疑わしい

(破裂は十中の九) 

我が国の要求は露国に於いて到底応じ難いというに外ならず、然るに我が国も又到底露国の望みに応じ難いので談判破裂は十中の九迄確実である。

 

媾和特報 26日ポーツマス特派員発

(調停余地の有無) 

米国大統領は非常に尽力しており、今日までに二回露国に向かって、この際媾和を成立させる事が出来る方法に関して勧告したが、第一回目は満足な回答を得る事が出来ず、漸く二回目要領を得た回答があったそうである。けれども我が国の要求する諸件との間には大きな隔たりがあり、調停の余地の存在は疑わしい。

(破裂は十中の九) 

今朝露国皇帝からウイッテへの訓電が到着した。この訓電によれば我が国の要求は露国に於いて到底応じ難いというに外ならず、然るに我が国も又到底露国の望みに応じ難いので談判破裂は十中の九迄確実である。