媾和特報
日本強硬の伝言
ローゼン男爵が大統領を表敬した際、大統領は我国の態度は強硬であると語った様である
敵師の声言
又頻りにリネウイッチ将軍から露軍の有望を報じて来ており
露全権の主張
償金は一文も支払わないが、東清鉄道を清国に売り渡したその代金及び中立港に於いて武装を解除した軍艦を代償に見積り、その他俘虜の費用等を日本に与える
26日迄
平和談判は来る26日迄には必ず善悪何れとも落着を見る
媾和特報 21日午前八時ポーツマス特派員発
日本強硬の伝言
一般に伝えられる所によれば、ローゼン男爵が大統領を表敬した際、大統領は我国の態度は強硬であり、ある程度までは譲歩するかも知れないが、それは僅かである事を語った様である。
敵師の声言
又頻りにリネウイッチ将軍から露軍の有望を報じて来ており、昨今ウイッテは、露軍は決して戦いを厭うものでなく、若し談判が決裂したならば、必ず花々しい戦闘を行うと言っている。
露全権の主張
又露国側より漏れてきた説によれば、償金は一文も支払わないが、東清鉄道を清国に売り渡したその代金及び中立港に於いて武装を解除した軍艦を代償に見積り、その他俘虜の費用等を日本に与えるときは合計五億円位となると思われので、従って償金は支払わない。
この伝聞は確かにウイッテ等の唱える所であり、露国は如何にもこの位の程度で負担を免れようとしていると思われる。
26日迄
又余が信ずべき人の説によれば、平和談判は来る26日迄には必ず善悪何れとも落着を見るであろう。
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