明治38年8月16日(水曜日)

媾和特報 我々の親友である在ポーツマス通信員は媾和の前途に対して悲観的な見込みを立てている。

媾和特報 14日ロンドン特約通信員発

我々の親友である在ポーツマス通信員は媾和の前途に対して悲観的な見込みを立てている。

両国全権は土曜日(12日)に条件の討議に着手した。逐条で順次審議されると思われるが但し樺太割譲及び償金の問題は後回しとする事に決定した。

第一の問題は朝鮮に関するものである。

露国は朝鮮における日本の優越権を承認するが露国と朝鮮の国境付近に要塞を築造する事に反対する。

ウイッテは談判の進行を公にする事を提議したが小村はこれに反対した。